はじめに
皮膚の悪い子たちにとって、皮膚の状態を清潔に保つことはとても重要です。
今回は東京動物アレルギーセンターで推奨しているシャンプー療法をご紹介します。
是非、ご自宅でもお試し下さい。
1、クレンジングオイルを用い、汚れを落とす
油性脂漏症では皮脂腺から油が過剰に分泌され、体臭やマラセチアの原因となります。
黄色く固まった頑固な油汚れはシャンプーでは分解・除去できないのでクレンジングオイルを使います。
①必ずシャンプー前の体の乾いている状態で原液を症状がひどい部分に馴染ませます。
②3〜5分放置した後にお湯で洗い流してから、下洗いシャンプーで油膜を洗い流す。
2、下洗いシャンプーで洗い流す
この過程は4日に1回を推奨しています。(良くなってきたら7〜10日に1回を推奨)
過剰な皮脂や被毛の汚れを落とすベイジングシャンプーで汚れを落とします。
当院では洗浄性の低い超低刺激性のアミノ酸系洗浄剤を用います。
ここでは、過剰な皮脂汚れや被毛の汚れを除去し、清潔な皮膚や被毛を取り戻します。
ここで大事なポイントは体全体をよくぬるま湯で濡らしてから、お湯(温水プール)でシャンプーを3〜5倍に希釈してよく泡立てて洗うことです。泡立てることでシャンプー成分が細かい毛穴まで綺麗にします。
3、入浴
①フケである角化細胞をプロテアーゼ配合の酵素で清潔にします。
②水素イオンバスで活性酸素を除去します。
③界面活性剤を用いず、重炭酸イオンで入浴
4、抗菌シャンプー
この過程は4日に1回を推奨しています。(良くなってきたら7〜10日に1回を推奨)
アレルギー性皮膚炎のわんちゃんは皮膚バリア機能が低下しており、細菌やマラセチアによる感染を起こしやすくなります。
抗真菌作用や抗菌作用が期待できる成分を配合したシャンプーを用い、病変部だけに使用します。
5、保湿
入浴タイプとスプレータイプに別れます。
入浴タイプ
当院ではスーパーヒアルロン酸配合の保湿剤を用い、この成分が深部まで到達し、被毛に保湿効果を発揮します。
スプレータイプ
当院では舐めても大丈夫な清涼飲料水規格のミストタイプのフルボ酸保湿スプレーを用います。保湿効果以外にも抗菌、抗臭効果なども発揮します。
6、まとめ
以上のように当院では経験豊富なメディカルトリマーや看護師がシャンプーをさせていただきます。
当院推奨のシャンプーや入浴剤、おやつなどもご購入いただけますのでお気軽にご相談下さい。